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穴井税理士事務所は、法人税・消費税・相続税を専門とする税理士事務所です。

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〒811-3218 福岡県福津市手光南1丁目2番18号、司調ビルC号

税務情報

相続税対策の基本


先ず現状での遺産となる財産の総額を計算
し、どの程度の相続税が予想されるのかを算出してみることです。
その上で、特別な対策が必要かどうかの検討、そして必要であれば我が家にとってどの様な手法がベストなのか充 分に検討してみることです。
(損を出しての税金対策などはありません。業者まかせの不動産投資などは注意すべきです。)






   分散 をする

婚姻期間20年以上の配偶者に対する居住用不動産の贈与又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与をする ➩➩➩ 特別控除2,000万円までの部分には贈与税が掛かりません。

(但し、不動産の贈与の場合は不動産取得税がかかります。平成27年までは税率3%です。相続で取得する場合は不動産取得税はかかりません。また、不動産登記をする際には登録免許税が贈与の場合は2%、相続の場合は0.4%かかります。)
(この贈与による非課税部分は、相続開始前3年以内の贈与財産の相続財産への加算の対象外です。

30歳未満の子や孫(直系卑属)に対して教育資金の一括贈与(金融機関等において教育資金口座を行う 等一定の要件あり)を行う 。➩➩➩ 1,500万円までは非課税となる。

(この贈与による非課税部分は、相続開始前3年以内の贈与財産の相続財産への加算の対象外です。)

20歳以上の子や孫(直系卑属)に対して住宅取得資金(受贈者の居住用の家屋の取得又は増改築のため   の金銭)の贈与を行う。 ➩➩➩ 一定の要件に該当すれば、令和5年までは 省エネ住宅は1,000万 円   その他の住宅は500万円までは贈与税が非課税となる。                       

(この贈与による非課税部分は、相続開始前3年以内の贈与財産の相続財産への加算の対象外です。)

暦年課税の非課税枠の年間110万円を利用して子や孫その他の者に対して贈与を行う。

 ➩➩➩  この場合贈与額を111万円にして贈与税を千円だけ支払っておくのも一法です。また同族会社の役員で会社に貸付金がある場合、これを毎決算時に会社後継者や子や孫へ貸付金債権の贈与をする方法。同様に会社の株式を毎決算時に贈与する方法、
など金銭の贈与だけではなく、他の様々な方法が考えられます。

 

相続税の計算構造上、法定相続人が多い方が相続税額は低くなりますので、孫などを養子にするなどの方法も一法です。

 

相続時精算課税制度の利用によって、収益物件の贈与を先に行っておけば、その法廷果実を事前に推定相続人へ渡すことができます。また相続時精算は贈与時の時価で行われるため、値上がりの見込める物件については有利となります。逆の場合は不利となります。
個人信託制度の利用も同様の効果が期待できます。



    評価を下げる

特定居住用宅地等の用件に該当させ、宅地の評価をさげる。

  ➩➩➩ 平成27年からは居住用宅地のうち330(平成26年までは240㎡)までの部分を本来  の評価額の20%、すなわち相続税の課税価格が通常の20%でOKということになります。

 

特定事業用宅地等の用件に該当させ、宅地の評価をさげる。

  ➩➩➩ 事業用宅地のうち400までの部分を本来の評価額の20%、すなわち相続税の課税価格  が通常の20%でOKということになります。

 

・遺産を金銭で所持する場合は、1,000万円の現金預金の場合はそのまま1,000万円が相続税の課税価格となります。

 しかし、この1,000万円で土地を購入しますと、その相続税評価額は時価の70%程度となります。またこの1,000万円で家屋を建築いたしますとその相続税評価額は建築価格の60%程度となります。これを貸家にして貸家建付地としますとさらに評価を下げられます。

 ただお金に余裕があればこれも良いかもしれませんが、ローンを組んでテナントビルを建てたケースで、借入金の返済に苦しんだ挙句、何もかも無くした事例がいくらもあります。収益の見込みを甘くみると大変です。バブルの頃不動産会社の口車にのって大損した方が多くいます。注意が必要です。 

  ・生命保険の非課税制度の活用

   ➩➩➩ 500万円 X 法定相続人の数

   (但し、相続を放棄した者は適用なし)

 

  ・死亡退職金の非課税制度の活用

➩➩➩ 500万円 X 法定相続人の数

   (但し、相続を放棄した者は適用なし)

 

  相続税納付資金対策を講じる

・生命保険の利用 ➩➩➩ 上記非課税枠(500万円 X 法定相続人の数)の活用

・小規模企業共済制度の利用 ➩➩➩ 上記非課税枠(500万円 X 法定相続人の数)の活用

  保険や退職金などの制度を利用して、最低限の納税資金は確保すべきです。


相続税対策で、生前贈与をする場合の注意点!!!
  相続で不動産を取得する場合は、不動産取得税は課税されません。また、登録免許税も低額にまりますので
  登記代が軽減されます。
  しかし贈与の場合は、不動産取得税が課税されますし、登録免許税も軽減されません。これは意外に大きい
  ですので、注意が必要です。

 




相続時精算課税制度(現代版隠居制度)

<概要> この制度は、贈与時の贈与税の負担を大幅に軽減することによって、生前での財産の処分(分割)を督励するための制度です。

そして、相続発生時(贈与者の死亡時)に、その贈与財産を他の遺産と合せて相続税の申告納税を行います。その際、先に収めた贈与税のある場合は、相続税の納税額から控除します。


<対象者>   ・贈与者 ~ 贈与をした年の1月1日において65歳以上である親                                          (平成27年からは60歳以上)

        ・受贈者 ~ 贈与をした年の1月1日において20歳以上の推定相続人である直系卑属

               (子が死亡の場合は、その代襲相続人である20歳以上の孫でも可能)

 

<特別控除額>        2,500万円

 

<税率>               20%

 

<税額試算> 
 ・ 例えば2,500万円贈与した場合         贈与税額    0円



・ 例えば4,000万円贈与した場合

          (4,000万円―2,500万円)X 20% =      300万円



<申告要件> 
① 申告期限内に「相続時精算課税選択届出書」を贈与税申告書に添付して提出すること。


② 添付書類 
・受贈者の戸籍謄本(抄本)や戸籍の附表の写し 

・贈与者の住民票の写し

・「相続時精算課税に係る財産を贈与した旨の確認書」を記入提出


<実施ケース> 
① 相続争いが予想される場合、また事業用財産の承継が必要な場合など、自分の目の黒いうちに財産の振り分けをする。(もちろん隠居料は残しておくこと。)


一人当たり2,500万円以下であれば贈与税は課税されない。贈与財産は、株式でも、不動産でも、現金でも制限はありません。

このため

     同族会社の事業承継対策としての自社株式の贈与、

     農業後継者への農地等の承継(農地の分散を防止し農業経営の安定化を図る。)

     個人事業の承継対策として店舗などの贈与(事業の継続化。)

その他広汎に使えます。(ただし、遺留分がある場合は、これも考慮に入れておくこと。)


     相続時精算課税制度は、贈与時の価格(時価)で、相続発生時の相続財産の価格への算入が行われます。

すなわち、贈与財産の価格が、贈与時点より相続時点の方が値上がりした場合も、贈与時点の価格で相続税が計算されます。

このため、将来値上がりが予想される財産を贈与の対象にして、将来値下がりが予想される財産は贈与の対象としないほうが、この制度では有利です。

例えば、

・ 今暴落している上場株式で、将来つぶれることがなく、値の戻しが予想できる東京電力や九州電力などの株式を購入して、この制度を使って贈与しておく。

・ 収益物件である賃貸アパートなどを、あらかじめこの制度を使って贈与しておけば、所得の累積を防止することが可能です。すなわち、さらなる親の財産形成を阻止して、家賃収入を子のほうが手にできる。

(ただし負担付贈与にならないよう工夫が必要です。)

など広汎に使えます。


     相続税など全く心配ない普通のサラリーマンでも、この制度を利用できる。


例えば、自宅不動産しかない人でも、大変な浪費家の子がいて、残される者たちのため財産の保全をしておきたい場合などにも利用できる。(遺留分の放棄をさせるなども検討しておく)


<デメリット> 
① 相続時精算課税制度を利用して生前贈与した財産が、値下がりしたり、滅失したりして無価値になったりしても、相続時には贈与時の時価で相続税の対象となります。


例えば、5億円の株式を贈与したが、その後その会社が倒産して株の評価が0円となっても、贈与時の評価額5億円が相続税の対象となります。また、贈与財産が火事で焼けてしまっても同様です。

     従来型(暦年型)の贈与税は、受贈者1人当たり1年間に110万円の基礎控除(非課税枠)がありますが、相続時精算課税制度を適用すると、この暦年型の基礎控除110万円が使えなくなります。

また、暦年型の贈与は、相続開始前3年以内の贈与財産について相続財産への組込みがありますが、それ以前の贈与財産についてはやりっ放しとなります。

ところが相続時精算課税制度を利用した贈与財産については、何年経とうが相続財産への組込みが行われます。

この2つの贈与制度のメリット・デメリットをよく比較検討して、決断すべきです。

③ 相続時精算課税制度で生前贈与した財産は、贈与時の時価で相続財産に合算されますが、これを物納とはできません。物納(一定の要件に該当する場合は、現金での一括納付ではなく、相続財産をその評価額で物納することができます。)の対象とはできないということです。


④ 相続時精算課税制度を利用して贈与した小規模宅地等については、相続時において小規模宅地等の課税価格の特例(一定の居住用宅地や事業用宅地については、一定の要件の下に評価減をすることができる)を適用することができません。


<老婆心ながら注意点>

① 相続税法上の相続時精算課税制度による生前贈与も、民法第903条に規定する「特別利益」に該当するため、遺留分の侵害があった場合は遺留分減殺請求の対象となります。

このため、遺留分についての充分な配慮や対策をこうじませんと、無用な争いが生じる危険性があります。

     親より子が先に死亡した場合、すなわち相続時精算課税制度を選択していた贈与者たる親より受贈者たる子が先に死亡した場合、その死亡した子の相続人が、その死亡した子の相続時精算課税制度による納税の権利又は義務を承継することになります。

仮にもし、その死亡した子が生前贈与を受けた財産を費消したりして、相続開始時に相続税を納める財産がない場合も想定されます。

このような最悪のケースの場合も、その死亡した子の相続人は相続時精算課税制度による納税義務を負う(相続税が発生する場合は納付義務が生じる)ことになります。

相続の放棄や限定承認の手立てが必要になります。


③ 相続時精算課税制度を選択していた親(贈与者)が債務超過のまま死亡した場合、その親の相続人は相続の放棄をすると思われます。この場合、相続時精算課税制度の適用を受けた相続人は相続の放棄を行っても、生前贈与で取得した財産を贈与時の時価で相続によって取得したものとみなされ、相続税が発生する場合には相続税の負担を負うことになります。

すなわち相続時精算課税制度を選択した受贈者は、相続を放棄した場合でも、相続税の納税義務(相続税が発生する場合には相続税の負担)が生じます。









配偶者に対する居住用不動産等の贈与(配偶者控除2,000万円) 

<概要>

配偶者に対して、居住用不動産そのもの又は居住用不動産を取得するための金銭を贈与した場合、一定の要件を満たし、定められた手続きを行うことにより、贈与税の課税価格から基礎控除110万円のほか最高2,000万円を控除することができます。


<一定の要件>

婚姻期間が、20年以上であること。

②配偶者からの居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること。

 ・居住用不動産は、日本国内にあるものに限定されます。

 ・居住用不動産とは、専らその配偶者の居住の用に供する土地(若しくは土地の上に存する権利)又は家屋をいいます。

贈与を受けた年の翌年の3月15日までに贈与を受けた居住用不動産を居住の用に供し、又は、贈与を受けた金銭で居住用不動産を取得しかつ居住の用に供していること。

④上述の3月15日以降も引き続き居住する見込みであること。

 ・当該不動産の売却が予定されており、居住用不動産の売却について3,000万円の特別控除を受ける目的で贈与を行ったときは、「引き続き居住する見込み」がないため適用対象外となる。

⑤今回贈与をした配偶者からの贈与につき、過去に配偶者控除の適用を受けてないこと。

同一の配偶者からの贈与につき、1回の適用である。このため前夫から居住用不動産の贈与を受け配偶者控除を適用した場合ことがあっても、現在の夫から贈与を受けた場合も適用可である。)



<一定の手続き>

配偶者控除の適用を受けるには、

     贈与税の申告書に「配偶者控除を受ける旨及びその控除額の明細」等の必要事項を記載し、

     受贈者の戸籍謄本(又は抄本)及び戸籍の附票の写し、居住用不動産の登記簿謄本、受贈者の住民票の写しなどの書類を添付して提出しなければなりません。


<相続税の申告との絡み>

通常の場合、相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続の開始前3年以内に、その被相続人から贈与により財産を取得している場合は、その贈与により取得した財産の価格は相続税の課税価格に加算されます。

しかし、この配偶者控除の適用を受けた贈与財産については、配偶者控除2,000万円の価格の範囲内であれば、相続税の課税価格に加算されることはありません。

ただし、贈与財産の価格が2,000万円を超える場合は、その超える部分については加算の対象となります。

ですから、相続税の課税が予想される場合は、この配偶者控除を適用したほうがお得になると思われます。







<相続人の確定のため必要な書類です>

   相続人の確定・評価・特例を受けるための資料です。



   
亡くなられた方の戸籍謄本及び除籍謄本

出生からご逝去までの戸籍謄本すべて、及び除籍謄本

     亡くなられた方の住民票の除票

     相続人全員の戸籍謄本

     相続人全員の住民票印鑑証明書

 これらの書類は不動産(土地・家屋・山林)の登記の際、遺言書又は遺産分割協議書とともに必要となります。

また、これらの書類は、登記の際、原本還付と請求すれば登記が終了した後返却されます。

登記を依頼した司法書士さんに、その旨伝達いたしましょう。

返却された書類は、相続税の申告の際利用できます。

 

 それから余談ですが、

これらの書類は、銀行・証券会社・保険会社などにも必要となります、

何度も同じ書類を役所に取りに行くのは大変ですので、現在は「法定相続情報一覧図」の証明制度ができました。法務局が証明してくれます。

 

その手続きは、相続人関係図を作成のうえ、上記①から④までの書類を、法務局に持参して証明をしてもらいます。

この「法定相続情報一覧図」があれば、不動産登記の名義変更や銀行預金・株式の名義変更、保険給付などにも使用できます。

 

相続人関係図は私が作成しますので、①から④までの書類を私に一度提示してください。その上で預かり資料を返却しましので、それを持って法務局で手続きをしてください。

 

また、正規の遺言書がない場合、遺産分割協議書は私が作成しておりますので、遺産の明細が必要となります。これは同時に相続税の申告にも必要となるものです。

 

 

<相続税申告のために必要な書類です>
   
   遺産の確定・評価・特例を受けるための資料です。

資産(プラス財産)

    不動産(土地・家屋)

・登記簿謄本 及び 図面      ---法務局

・評価証明書 又は 名寄帳     ---区役所 市町村役場

・固定資産税の納税通知書      ---郵送され自宅にあるはず

・貸家貸地貸アパート        ---賃貸契約書(自宅又は不動産管理会社)

    預貯金(銀行・郵便局・農協など)

・普通預金通帳 定期預金証書    ---自宅(現在使用中のものはコピーします)

・預金の残高証明書         ---銀行(亡くなった日現在のすべての預金)

     株券・公社債・投資信託の預り証明書 ---証券会社(亡くなった日現在の評価額と株数)

                   自己管理の場合は配当金支払通知書など銘柄と株数が分かるもの

 

    生命保険 傷害保険などで亡くなった方が負担していたもの        

---保険証券と保険会社発行の保険金支払通知書

     自家用車              ---車検証のコピー

     ゴルフ会員権            ---会員証

     貸付金               ---金銭消費貸借契約書

     個人事業経営者           ---過去3年分の確定申告書(資産と負債の把握)

                   事業用財産(機械器具・備品・在庫・売掛金など)

     会社経営者             ---過去3年分の確定申告書(資産と負債の把握)

                     持ち株がある場合の取引相場のない株式評価

                     死亡退職金など

     書画 骨董 絵画 貴金属 家財 電話加入権 立木など 

---亡くなった方の趣味を税務署は気にします

                     税務調査時は自宅の金目のものを見ます   要注意!

 負債及び葬式費用(マイナス財産)

     借入金                ---金銭消費貸借契約書

                      返済予定表

     未払金(医療費、税金、クレジットなど)---請求書、領収書、利用計算書など

     葬式費用(通夜 葬儀 葬送 火葬 埋葬料など)    

---葬儀社の請求書・領収書

                  お坊さんへ御布施・戒名料 領収書がない場合はメモ

                  仕出屋さん・酒屋さん・花屋さん 領収書

                  タクシー代 領収書 領収書がない場合はメモ

 どなどです。





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FAX 0940-36-9413
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